あなたに求められていることは何か。
海外に来てから、
「ポジションはどこなの?」
という質問にはよく悩まされます。(笑)
自分でもどう答えたらいいか分かりません。
今回は僕という人物紹介?選手紹介?みたいな記事です。
皆さんにも共通することがあると思います。
第16節が終了しました。今節は右サイドバックで出場。
終盤は怪我人が出てセンターバックにポジションチェンジ。
試合結果は2-4の敗戦。
相手は今シーズン1敗しかしていない上位のクラブ。
僕らも善戦はしましたが、90分通してはやっぱり力の差が出た戦いになりました。
前節は左サイドバックで出場。
前々節はボランチ(センターミッドフィルダー)。
そして今節は右サイドバック。途中からセンターバック)
色々なポジションで起用されていますが、今の監督にはこの役割を求められるので受け入れています。
以前にも書きましたが、今のクラブの監督は、去年オーストラリアで所属していたクラブの監督なんです。
去年のシーズンでは試合中(90分間)に3つのポジションで起用されたりしました。(笑)
野球でいうと「ピッチャー→セカンド→外野」みたいなもんです。
高校野球でもそんなにないですよね。こんなにポジション変更するの。
学生時代のチームメイトにはすごく驚かれます。
「お前センターバックやってんの?(笑)」
「え?サイドバックできんの!?(笑)」
って具合に。みんな半笑いです。(笑)
それも、日本では10年以上【ボランチ】というへそのポジション(真ん中)をやっていたので、イメージがつかないのでしょう。
僕もサッカー人生でこんなに多種のポジションを任されるとは思っていませんでした。
オーストラリアで最初の2年間(2016-17年)はセンターバックのみ。
3年目(2018年)は5つのポジションを試合毎に任されました。
怪我人や調子が悪い選手のカバーだったり、相手チームのキープレーヤー対策など。
僕のように「コレ」といった特別な能力というか、明白な取り柄が無い選手には、こういう何でも屋な役割は適任かもしれないです。
この監督からはしばしば、「こいつはClever(クレバー)な選手だ!」と紹介されます。
クレバーを日本語にすると、「利口な・気の利いた・ずる賢い」といった意味になります。
↓見ての通り、バングラデシュ移籍用に作った動画もどこのポジションが主戦場なのか分かりません。(笑)
永田羽竜 Uryu Nagata Promotional Video 2018
はじめの頃は受け入れられませんでした。
「本当はここのポジションじゃない」
「こんなにコロコロ役割が変わると、プレーしづらい」
「めっちゃ使いまわされてるじゃん…」
っといった感じで。
僕の適性は僕自身が一番よく分かっています。
得意とするプレーだってあります。もちろんやりたくない役割も。
納得がいかず、何度も監督と話しました。
けど、そんなモヤモヤもオーストラリア時代のあるコーチの言葉で、この立場を受け入れることができたのです。(以下―)
「色んなポジションをこなすというのは、誰しもができるわけじゃない。これができるのは素晴らしいこと。だから誇りに思え。」
好きな仕事とやるべき仕事は別物。
僕はこれまで一番になったことないです。
どのチームでも僕より才能がある選手、それぞれの分野でスペシャルな選手はたくさんいました。
ただ思い返すと、それなりのレベルのチームで試合には出続けてきました。
そこは能力というより、他との違いをどこかで生み出せて、指導者から信頼を受けていたのかもしれないです。
何に関してスペシャルなのかってことですよね。
色んな土俵でスペシャルにはなれます。
そこに気づいて、受け入れてきた過去があるから、今日までサッカーができているのだと思います。
今ではこの何でも屋の仕事に誇りを持っていますし、一つの能力、及び特徴だと思っております。
「どの役割でも対応できるユーティリティーなプレーヤー」を目指し、新たな可能性が広がると信じてやるだけです。
外国人枠は言わば「助っ人」。
チームの欠陥を補うことが僕に求められていること。
これを今一度受け入れて、残りのシーズン8試合、どんな役割を任されてもBESTを尽くしてクラブに貢献したいと思います。
先日、現役引退を表明した上原浩治選手(巨人)。
メジャーリーグでは、今まで任されてきた先発の役割とは違う、中継ぎや抑えと配置転換を監督に求められました。
それについてのインタビューです。
(やりたいと思わない仕事を任されることは)野球だけじゃなくて会社でもそう。
自分の納得いかないようなことだっていっぱいあるわけやから、それを納得してやらないとしゃーない。by上原浩治
上原選手は、これまでのプライドを良い意味で捨て、新たな立場・役割でプライドを持つことができたから、44歳までプロとしてプレーができ、日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手にもなれたのでしょう。
それぞれの仕事で、組織の一員として、社会の中で、
「あなたに求められていることは何か。」
これを理解し納得するのは他でもなく自分ですね。
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